家の設計は、住む人の将来を思い浮かべながら考える作業です。
今は小さなこども達も、大きくなるにつれて生活様式も変わっていくでしょう。時がたてば若い頃とはちがい、価値観の変化や、身体も自由に動かせないかも知れません。
だから、家の設計は、住む人たちの未来予想図と言えるでしょう。
でも、家の設計は住む人の在り方だけではありませんよ?
住む人の習慣を考える作業でもあるのです。
そして、意外と見落としがちなことなが、
「日常の些細な不満をつくらない」設計です。
今回は、些細な不満を少なくする設計について書いてみました。
「家に合わせる」のでなく、「住む人に合わせる」のが自由設計の醍醐味(だいごみ)ですから、とことんワガママになって考えてみましょうよ。
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新居に住み始めてから新しい習慣を持つ未来もある
人が自分の経験からものを決めるのは、失敗や成功体験を次にいかそうとするる習性があるからです。
「この道を通ると怖い犬がいる」って思えば、次に通る時はちがうルートを歩くような、何かべつの行動をするはずです。
家づくりも同じように、建てる前のさまざまな経験が設計に反映することになります。
と言うことは、過去の経験がなければ、なかなか想像しにくいものですよね?
たとえば、部屋の掃除をする習慣が少ないと、掃除についての未来予想もむずかしいはずです。
「いままで掃除なんてキライ」と言っていた人でも、実家住まいや、部屋を借りて住んでいたころとはちがい、新居の掃除は楽しい時間と変わります。
「そんなことないよ、どんな場所でもきれいにしたい」と思う考えは尊敬できる心理です。
でも、やっぱり自腹を切ったマイホームは自分の家ですから、愛着が湧くのは人として当たり前の感情です。
一生住むかも知れない我が家ですし、多額のローンを支払っていく決意をしてまで手に入れた自分の城ですから、思い入れも深いことでしょう。
そんな中、私もマイホームを持ってから掃除に目覚めた、その中の1人なんですけどね。
動機はどうあれ、掃除は素晴らしい習慣ですから、やる気をなくさないためにも、スムーズに掃除できる設計を考えてみましょうよ。
「掃除をしなくちゃ」と、やらされる行動と、
「とことんきれいにしたい」と自発的な掃除の仕方では気づきがちがいます。そしてその気づきこそが、
「ここにアレがあればよかったなぁ」と言う前向きな考え方です。
コンセントの位置は大事だった
「コンセントの位置」がタイトルにある「○○」のヒントです。
掃除をした経験がない人がコンセントの配置を決めたとしたら、きっと後で不満を感じてイライラすることになるでしょう。
仕方ないですよね?だって掃除した経験がないのですから。
掃除機を動かすためには、コンセントにプラグを差し込む必要があります。そして、掃除機のコードの長さには限界があるのは知っての通りです。
かしこい読者さんは、もう分かりましたよね?
「コードの長さが掃除できる許容範囲だから、よく考えてコンセントの位置を決めましょう」が答えになります。
コードの長さは、すごく広い部屋でないかぎり、1つのコンセントで十分まかなえるような長さに作られているはずです。
「今日はリビングだけ、今日は子供部屋だけ」と、部屋を「その日ごとに分けて」掃除をするのなら、コードの長さやコンセントの位置は、そんなに気にならないものですが、
たとえば、キッチン・リビング・脱衣所・和室・廊下・玄関へと、1階のフロア全体に掃除機をかけて行くことを考えてみてくださいよ。
掃除機のコードの長さが足りなくなるごとに、コンセントを替えていく作業を繰り返す行動をすることになります。
まるで「次のコンセント」「次のコンセント」と、コンセントを渡り歩く旅のようです。
これって面倒じゃないですか?
この面倒を便利に替えたのがコードレスタイプの掃除機です。
でも、コードレス掃除機の宣伝ではなく、コードタイプを使う前提なのがこの記事ですから、その目線に立ってみてくださいね。
「不便を選ぶ」ことにもメリットはあります
コード式掃除機を買う一番の利点は、何と言っても「低価格だから」ではないでしょうか。
新築に合わせて、電化製品を新しく買いそろえる人は少なくありません。でも、2回目に買い換えるときにも、最初に買ったグレードの商品を必ずしも買えるとはかぎりません。
年月とともに、収入も増えれば問題ないのですが、そうでないと、商品のランクを下げることになりえます。
たとえ収入が増えたとしても、ローンの返済や家族の出費も増えれば、低価格の商品を買うことが、かしこい選択になる場合もあるからです。
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掃除機を「お金をかけるべきところ」とは思わずに安物を選ぶ心境は、人は本質よりも目先の欲を優先していまいがちだからです。
甘いものや高カロリーな食べ物は好んで食べても、体にいい質素な食材を選ばないのは仕方がない習性です。
本当は「キツイことを言いう人」の方が「自分にとってイイ人」と言うことは分かってますが、どうしても、自分を甘やかしてくれる人を好きになってしまうんですよね。
ちょっと愚痴ってしまいましたが、
そして、アレルギー体質を持っていれば、見えないゴミの存在を意識した掃除の仕方をしなくてならないでしょうが、
「とりあえずきれいに見えればそれでいい」と言う感覚だとしたら、低価格な商品を選びたくなります。
ほかを置いても掃除機にお金をかける人は、本当の意味で「ゆとりのある人」だと思います。
まとめ
✔コード式掃除機を使うことを想定したコンセントの位置する
✔掃除機のコードが届かない場所がないように、上手にコンセントを配置する
おわりに
家の間取りや外観は、後で手直しすることがむしいけど、家の柱などとは違い、コンセントは後からでも比較的かんたんにつけることはできます。
でも、建て終わってからコンセントを付け足す人はいるのでしょうか。よほど不便じゃないかぎり考えにくいと私は思ってしまいます。
「ないんだから仕方ないよね」きっと不便なままにしているのではないでしょうか。
不便も慣れれば気にならないのは分かっています。コンセントのような家の小さな部分も、ちゃんと考えてみたいものですね。
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