知らないと損する?会社の物をこわしたら給料天引は「有り」なのか

この記事は約7分で読めます。

 

  • 運転手が「事故を起こした」
  • 作業員が「機械を壊した」
  • OLがコピー機を「故障させた」

 

こんなとき労働者に支払いの義務はあるのでしょうか。または、給料からだまって天引されてしまっても、文句はいえないのでしょうか。

 

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答えは1つじゃない?ケースバイケースです

「労働者が(しでかした損害)だから、社員が弁償するのは当たり前!」といって、会社が一方的に社員の給料から天引きするのはブーブーです。「ダメだよ」と法律はいっています。それは、

「給料の全額支払い」違反しているからです。

 

「給料全額支払い」については、あとの章の「賃金支払5つの原則」で説明しています。知りたい人は飛ばし読みしてくださいね。

 

やはり法律はちゃんとできてます。但し書きがありました

賠償金を支払うことを本人の自由意志のもとで同意があった場合は、支払い方を話し合って決めたなら、給料から控除(減給)することは差し支えないそうです。

「毎月3万円ずつ1年払いで」とか、

「ボーナス2回払いで」などを協議するという意味なのでしょうか?

 

社員には受け入れる事情もある

人は損して特を取るものです。会社を辞められない事情が何かある場合も少なくないことです。自分が悪いのだから、しっかり弁償して「これからもお願いしますッ」っていう人もいるでしょう。

逆に「何で金払う必要があるの?!」って息巻いて、辞めてしまう人もいることでしょう。

弱みを持った会社(法律違反)だとしたら、深く追求することよりも、だまって退社してもらう方が賢い選択だったりする場合もあるからです。

 

会社は従業員に対して弁償額を約束してはいけません

「荷物一個の物損につき1万円ね?」とかの約束を、

前もって予定して損害の賠償金額を決める労働契約をしてはいけません。

そんなルールのある中で働くのは精神衛生上よくないです。

 

結局法律とは・・

結局「話し合いで何とかしろ」って言っているようなものです。だって、使われている以上、立場は弱いです。もし、おかかえ弁護士とかいたとしたら尻込みしてしまいそう。知らないことが怖いのは当たり前のことだからです。

 

そうなると、なんだか働く側が不利で、会社側に立った法律って感じですよね?でも、きちんとした働き方さえしていれば怖いものはありませんよ?

 

会社には危機管理の責任がある

事故を起こしたり、ものをこわしてしまったり、書類を無くてしまったのは、わざとじゃないはずです。最新の注意をはらったとしても人は完璧ではないからです。

なので「失敗は前もって予測できる範囲」ではないでしょうか。

 

空から隕石が落ちてきたり、UFOと交通事故に合ったり、タイムスリッパーに荷物をうばわれたりするなら別ですが、現実として起きるであろう予測に対しての対策は出来るはずです。

 

「社長!トラックのミラーぶつけちゃった。直してよ?」

「そのくらい腕でカバーできるだろ・・感ってやつでさ?」

そのせいで交通事故にあったらどうなのでしょう。

「下手っぴだな・・お前弁償な!」

「マジっすか?」

 

これは典型的なブラック企業の会話です。

事故の要因を作ったのは運転手です。でも、会社は安全な運行を管理する義務があります。事故の原因はこの社長さんなのです。なのに、天引きするのはイケマセン。

 

「美味しいとこ取り」はズルいです

「失敗した責任は従業員で、成功した業績は会社のもの」ってズルくなですか?

会社は従業員が働くことで利益を上げています。

だったらマイナス面に対しても、一定の責任を負うべきですよね?

 

新種の動物や遺産探しをするために、危険なジャングルで働かせていながら、ケガをしたら自己責任。世紀の大発見をしたときだけしゃしゃり出て「会社の権利です」は理不尽です。つまり、

会社には失敗や損失のリスクを最小限にする危機管理義務がある。

業務上のリスクを従業員だけが負うのは不公平なことですよね?

 

そうなると、対処法として考えられるのは「保険」です。

社用車や高価な機械や重要な荷物に保険などをかけておく対処は必要になってきます。

保険に入っていれば、事故でお金がいっぱい必要になったときも全額負担ではなく、損失をカバーして最小限にすることができます。これが会社が出来ることです。

 

重大な過失なら賠償義務もありえる?

とはいえ、働く側に重大な原因がある場合は、会社に対して損害賠償金を支払う場合もあるようですよ?

たとえば

■飲酒運転で、会社の車を運転して事故を起こしてしまったAさん。

話を聞くと、

昨夜ナンパした女の子を横に乗せて朝までゴー!イチャイチャしていて注意散漫。

 

■機械の能力を無視した使い方をして故障させてしまったBさん。

はなしを聞くと、

ガンダムの性能を上げようと、アムロの親父が作った部品を勝手に取り付けたために、誤動作を起こしてしまった。

 

なことあるか?!って声が聞こえてきそうです。

冗談はさて置き、従業員にも会社の財産を不当に犯してはいけない義務もあります。

義務を果たしてこそ権利は主張できるものです。真面目で誠実な働き方をする人は法律がしっかりと守ってくれるでしょう。日本は法治国家です。独裁政権ではありませんからね。

 

↓以下のサイトがとてもわかりやすく書かれてますよ。

参考労働基準法違反を許すな!労働者

 

賃金の支払いについて「5つの原則」が定められている

 

もし、あなたが勤めている会社が適当な給料の払い方をしていたとしたら、安心したくらしはできないでしょう。なぜなら、お金は生活を支える重要な基盤だからです。

なので労働者を守るために労働基準法で定められています。

1)賃金とは

賃金は通貨で支払うこと。

現物支給は認められない。

 

2)直接払い

賃金は直接労働者に支払うこと。

中間に第三者の介入のピンハネ禁止。

 

3)全額支払う

賃金は全額支払うこと。

所得税や社会保険料など法律で定められたもの、積立金や組合費など労使協定で定めたものは、例外で控除できる。

 

4)毎月支払う

賃金は毎月一回以上支払うこと。

次の賃金が支払われる期間が不当に長いと、不自由な生活になるから。

 

5)一定期日払う

賃金は一定の期間を定めて支払うこと。

給料日が決まってなく不定期だったら、生活設計を立てられないから。

「毎月25日が給料日」というように、支払日を固定すること。

「毎月第1月曜日」のように、月によって支払日が変わってしまう取り決めはできない。

 

5つの原則のボヤキ

「牛1頭」「米1ヶ月分」「トイレットペーパー1年分」での支払いはダメです。日本で使えるお金で支払ってもれえないと必要はことにお金がつかえませんよね。

 

「我が社の業績が下がってます。今がふんばりどきです。社員の理解と協力を!」とか、

「今月はちょっと厳しいから・・」のような会社の都合を押し付けられるのも困りものです。

 

「今月の給料振り込まれてませんけど・・」

「あれ?知り合いが受取に来たから渡したよ?」

「わたし誰にも頼んでませんけど?」

きちんと働いた本人に渡してくれないとお金を使われてしまいそうです。

 

税金とか社会保険料を自分で支払うのは面倒だからありがたいことです。

でも、もし事故をおこしてしまい、

「会社に対して弁償代を払うと約束した」としても、こっちにも「生きていくための都合」ってものがあります。天引きは、きちんと話し合ってからにしてほしいです。

 

次の給料日まで長いと、怖くてお金使えが使えません。いっぱいくれたとしても困ってしまいます。

 

その日暮らしとはちがい、ローンとか、集金とか、支払日が決まっている場合は困ってしまいます。安心した生活を設計するのには「決まった給料日」にしてほしいです。

 

労働基準法・第三章・賃金の支払い第二十四条

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

労働基準法・第三章・賃金の支払い第二十四条

 

おわりに

いまでは、ごくごく当たり前のことだけど、きっと法律ができたということは、以前の日本には、「ズルい社員とインチキ経営者がいた」という証明なのかも知れませんね。

「野麦峠のはなし」を思い出してしまいます。

 

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