「日本が誇るメタルドラマーはだれ?」といえば「X-JAPANのyoshiki」と、きっと誰もが答えることでしょう。
今尚、(2017年現在も)神的存在です。世代を超えて多くのドラマーが憧れて、彼のプレーを真似しているのではないでしょうか。ドラムセンスも独特でリスペクト的存在です。
でも、「より早く」「より長く」「より効率的に叩き続ける」にはX-JAPANを完コピするだけでは限界があります。
そして、メタル界には新しいリズム・パターンはまだまだたくさんあります。
そんなわけで、技術面で、もう一つ付け加えてみましょうよ。
日本のメタルバンドしか聴かない人はヨーロッパへ旅立て
日本のメタルしか聴かない人で、もっとドラムの腕を上げたいと思うならデスメタル系バンドをオススメします。やってる技術が格段に高いからです。それはギターも同じこと。
「デスメタル」と、いっても、メロディアスなものからゴリゴリなものまで様々です。
とくにオススメしたいバンドは「ARCH ENEMYアーチ・エネミー」。北欧系のメロディック・デス・メタルバンドです。
デスメタル界から見るとアイドル的バンド。「キャッチーな曲調だらコピーしやすい」といわれています。「メロディック」というだけあってメロディアス感もあります。
が、X-JAPANを叩ける人でも、ちょっとむずかしいと思います。なぜなら、いままでにないリズムパターンやスピードがあるからです。
ブルータルリズムは「ロック!」って感じです。ゲームBGM感もあります。
オススメのアルバム
アーチエネミーは2000年に日本でブレイクを果たします。何が日本人のハートをつかんだのかを説明できませんが、「これだ!」って思ったのでしょう。
わたしも、そのブレイクしたときのアルバムを最初に聞いたとき、日本のメタルとのちがいに衝撃を受けましたからね。
そのアルバム名は「Wages of Sin (ウェイジズ オブ シン」です。
ドラマーとして最初に思った疑問は、「どうやって叩いているのか?」でした。
もし、きちんとしたドラムの基礎を積んていたり、ジャズドラムのプレイスタイルを知っている人ならば、理解できたことでしょう。
でも、わたしは独学ドラマーです。その意味が分かりませんでした。
それまでのわたしのドラムスキルでは想像すらつきません。この「問」がその後のドラム人生とメタル概念を変えることになります。
X-JAPANがデビュー当時のころ、わたしも夢中でコピーしてyoshikiになりきってました。そんなわたしが好きになったバンドです。きっとあなたも好きになる確率は高いことでしょう。
もし「日本のメタルしか聴きません」と思っている人で、「もっと刺激のあるバンドはないか」と思うなら、わたしはアーチエネミーを超絶オススメします。
そして、アーチエネミーのドラムテクを身につけることが出来れば、メタルドラマーとしての幅が広がるはずです。
「ダサカッコイイ」70年代のハードロックが新しかった
80年代が青春だった人にとって70年代は時代遅れと思う心理があります。アーチエネミーのギターには、しっかりとハードロックというスパイスがきいています。
「何か古い・・」が、最初の印象です。聴いてるこっちが恥ずかしくなってしまいます。でも、わざとらしいくらいのチョーキングが癖になってしまったのですよ。
ギターはダウンチューニング「2音下げ」
アーチエネミーのギターは「Cチューニング」2音下げをメインにしています。
X-JAPANの半音下げとはちがい、「ワル」って感じがします。悪魔っぽい曲もありますが、聖飢魔IIとはまたちがった世界観をだしてくれています。
それはギターの低音がきいているせいもあるからです。一度はまったら、もうレギュラーチューニングにはもどせなくなることでしょう。
ちなみにわたしのギターもCチューニングにしています。たまにXも弾きたいって思いますが、ギターを一本しか持ってないので、アーチエネミー仕様にしているというわけです。
そんな、ギター何か弾かないで、もっとドラム練習をした方がいいレベルなんですけどね・・
わたしのドラムプレーを変えたきっかけ
「すごいバンド見つけちゃいましたよ!」バンドメンバーがわたしにその音源を持ってきました。丁度2000年当時の出来事ですです。
最初聞いた時、失礼ながら笑っちゃいましたよ。なぜなら、ボーカルの歌い方が変だからです。変な歌声のジャンルとはデスメタルのことです。
なんかすごいことやっている様だけど、何かピンと来ない。なぜなら、歌にメロディーがないからです。
「ギャー#ギャー#オイッス!オイッス!」ひたすら叫んでいるだけだからです。本当なんのコッチャです。ドスの利いたラップの様です。
身近な人が「いい」っていうと「いい」って思ってしまう心理
そのバンドの音源を持ってきた人はバンドのメンバー、ギター担当者です。当時わたしのバンドの理想の中に、「やっていて楽しい曲をプレイすること」がありました。
多くの人は「聞きたい曲=好きな曲」だと思います。が、バンドマンは必ずしもそうではありません。
聴きたい曲と、やりたい曲は別だからです。泣けるバラードで癒やされても、簡単な曲調ではやっていて物足りないですからね。
実際プロの人も「ヒットるために作る曲(売れ線)に思い入れはない」といっています。
とくにヤンチャ系バンドは曲のカッコよさが大事ですからね。食べていくためには大人になる必要があるのでしょうか。
そのカッコよさに夢中になる
ふつう歌謡曲の伴奏は基本「コード進行」です。
歌手が歌うメロディーに合わせて楽器が伴奏(ばんそう)します。歌と伴奏のメロディーがいっしょでは、音楽って感ではないし魅力もないです。それでは永遠ユニゾン状態です。
デスメタル系の伴奏は基本「リフ進行」です。
ギターがメロディーを担当し、ボーカルのメロディーは、棒読みな一本調子です。歌謡曲とは真逆のスタイルで演奏しています。
つまり、主役が楽器側にあるという状態です。これは楽器担当者からしたら「よだれもの」ではないでしょうか。
メタル系バンドの「もやもや」を消してくれた
メタル系の曲をつくるとき、「歌メロもいい」「ギターメロもかっこいい」という組み合わせは、どうしてもはむずかしいのでないでしょうか。
歌に合わせてギターをつくるときコードを分解してアレンジしてつくることがあるからです。
似通ったコードでギター・ソロをつくっても、曲のベースが同じコードだと、どうしても似たり寄ったりになりがちです。
でもリフ進行はちがいます。ボーカルの音域に関係なく、思いのまま、広い発想で曲作りができるのです。
つまり、「いままで聞いたことなかった」「そんなのあったの?」と「ギターの可能性に惚れ直してしまった」というわけです。
ギターの見せ場はイントロとソロとエンディングあたりにある場合があります。イントロをひき終えると、あとはコード進行で落ち着きます。目立ちません。ボーカルに席をゆずる状態です。
デスメタル系の曲はインストゥルメンタルだと思って聴く
もし、歌い方が受け入れられないのなら、ボーカルを無視して演奏だけを聴くようにすればいいですよ?
ちょっと失礼ですが、わたしはいまでもボーカルの歌声をはまったく聴いてません。ドラムの音とギターの音を聴きたいからです。
アーチエネミーのギターソロの速弾きはむずかしいですが、リフは意外と簡単です。耳コピでも十分です。(曲による)
次の選曲にしてはどうでしょう。
おわりに
ちょっと押しつけがましい意見になってしまいましたね。ぜひ一度、聴いてみてはどうでしょう。
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