ドラムの連打や速いリズムをきざむドラマーを最初見たとき、疑問に思ったことがあります。
「何で疲れないのだろう」って考えました。
「きっと、特別な筋トレをしてるから力があるんじゃないの?」って思ったこともあります。
確かに特殊なのでしょう。ふつうの人では素早い動きを長時間も続けることは出来ませんからね。でも、決して馬鹿力(POWER)を使っているわけではないんです。
では、人が疲れないためには一体、「どんな身体の使い方」をすればいいのでしょう。
今回はドラミング術の説明ではなく、人の基本的な構造を見直して「なぜ疲れずに叩き続けられるのか」を考えてみます。
「速く打てる」「疲れない」ためには、出来るだけ小さな筋肉を使え
動物の筋肉はパーツごとに分かれています。そして、それぞれの部分によって大きさにちがいがあります。小さい筋肉を動かすよりも大きい筋肉を使うと体力を消耗するようにできています。
「うで相撲」と「指相撲」全力で連続して戦った結果、どっちが疲れてしまうのか。
「うで相撲」ですよね?
試合後、息が上がり、汗をかくことでしょう。大量の酸素とエネルギーを消耗した証拠です。つまり、人は筋肉を酷使すると疲れるように本来できているからです。
指相撲も握力を使うので疲れます。でも、ぜーぜーと酸欠状態にはならないですよね?
この状況をドラムを叩くときに置きかえてイメージしてみてくださいね。
1)全身を使う
■ジャンプしてスネアの上に飛び乗る
全身を使った運動は、かなり体力を消耗します。超スローテンポのバラードでも長く鳴らし続けるのはむずかしいでしょう。
2)上半身を使う(腰が支点)
■お辞儀してヘッド・バッド
身体半分を使った運動です。ジャンプよりは長く続けることはできるかも知れませんが、これも現実的ではないでしょう。
3)うで全体を使う(肩が支点)
■モンキーダンス打法
うでをまっすぐのばして、肩を支点にふり下ろします。胸や背中やお腹や首の筋肉などを使って肩が動かないように力みます。
4)ひじを使う(ひじが支点)
この時点になると、ひじを支点にして連打することが出来るようになります。
上腕二頭筋に力がギュっと入るから二の腕はパンパンです。
疲れるタイプの人は、この叩き方になっている傾向があるから、以下の章の理屈を頭に叩き込みましょう。
5)手をを使う(手首が支点)
パターン1
■手まねきをする
(上から、または、下から)
パターン2
■手首をひねる
(ひじから下のうで全体を使って手首を半回転させる)
6)指を使う(指の根本が支点)
■指を使う
ボタンを押すように指を連打する。筋肉を使うというよりも、筋(すじ)を使って音を鳴らします。
人が最速の動きを長時間維持する方法はこれです。
「出来るだけ小さい筋肉を使うことを意識すること」
脱力することです。
5)+6)を組み合わせる方法
ドラムの叩き方は1つではありません。その状況(角度)などによって変化します。今回わたしが「一番力を使わない方法」だと思うのは、以下の方法です。
「手首を回転させながら同時に指を使う」を説明
うでを振り上げて、腕を下ろすと同時に手首を上から下に回転させてながら、広げていた指を閉じる。
(手のひらをグーパーグーパーする感じです。)
スティクを持つ支点は人差し指の根本と親指の根本です。
親指と人差し指でスティックを挟んで、残りの指をグーパーグーパーしてください。残りの指でスティックをパンパンとはじく感じです。
あとは、ドラムに張られているドラムヘッド(かわ)によってスティックがはじき返されるから、力を使わなくてもすみます。
▼意外とリバウンド力がある「自作練習パッド」について紹介しています。
リンク久しぶりにバンド再結成。ドラミング練習道具はお金をかけずに感触も自分次第
おわりに
どうでしたか?当たり前のはなしでしたね?
でも、とても重要なことです。理解してもらうために、あえて説明することにしました。
ドラムをはたく時、つい二の腕に力が入ってしまうのは分かります。意識して「筋」を使うように心がければ、きっと上達すること間違いなしです。
筋を使ったドラミングが出来るようになったとしたら、あなたはプロの仲間入りになるでしょう。
これだけではきちんとした説明にはなりませんが、今回はこんなとことにして置きますね。
▼わたしのツーバスの概念について書いています。
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