
「この会社辞めようか・・」だれでも一度は考えたことがあるはずだ。
わたしも10年ほど前に、そんなターニングポイントにあったけど、勇気もなくズルズルと今も居座っている。
あのとき辞めた方がよかったのだろうか。
怒りは優しさに替えると穏やかになれる
元々わたしは気が短い方だ。自分に不都合なことや、常識外のことをされたり、想定外の出来事に合うとキレてしまうことがあった。
ところが、色々揉まれたせいか、ここ最近、感情的になることが減ってきた。
わたしの職場にはロッカーがない。なので仕事で使う小道具は、各グループごとに割り振られた棚に置いている。
それでは足りないので、何人かは自分で置き場所を探して、そこへ置いている。わたしもその中の1人。
わたしは部屋の奥の棚の上の空きスペースを利用していて、職場に着くと、最初にその棚から自分用の小道具を持ち出すことが仕事はじめのルーティン。
で、今朝、職場に着いてみると、その棚の前にダンボールが積み上がっていた。もちろんわたしの小道具はその奥にある。
「は?誰だここ無断で置いたのは?」わたしは一瞬動揺した。
もし、同じグループにいる短気な自己中社員だとしたら、まず、文句をいって、自分は被害者アピールをし、同意を求めたことだろう。
「これは意地悪だ!わざと置きやがった!」そう、この場所に置いた人の心境をネガティブに想像して怒り爆発。
もしかしたらダンボールを蹴っ飛ばしたり、意地悪返しではないが、後先考えず、別の場所にダンボールを移動したかも知れない。
でも考えても事実は変わらない。変えられるのは自分だけ。そう思い直し、ポジティブな行動をとることにした。
そのダンボールの中身を確認すると、最近はじまった仕事で使う消耗品が入っていた。
その消耗品を置く場所は、少し歩いた場所に、専用スペースが決まっていたので、その場所まで持っていくと、まだ少し消耗品は残っていた。
なので中身を取り出して、今持ってきた新しい箱を開封し、その上に置き、使うときに使いやすい様に段取りをした。
担当者は決まってなく、使うときに無かったら、その人がやる流れだったので、放置してもよかったけど、黙々と、ついやってしまった。当てつけだったのかも知れない。
そして使用済みの古いダンボールを解体し、ゴミを置くスペースに折りたたんで片付けをした。
なんて清々しいのだろう。
自分に起きたマイナスの出来事を、チーム全体のためになるプラスへと変えることが出来た。朝から冷静に対処できた自分が少し誇らしかった。
「自分」という絶対的な正義の尊い存在という立場でアレコレ考えだしたら、ネガティブな妄想は膨らんで、我を失ってしまう。
そんな自分が抱いた違和感が怒りに変わる前に、直ぐに行動することがポイントだ。
「怒りを優しさに替えると気持ちが穏やかになる」という言葉を実践してみたら、本当に、気持ちを落ち着けることが出来た。
たくさん我慢した。たくさん喧嘩した。たくさん理解し合った。
いいことも悪いこともたくさんあったけど、この場所でたくさんの学びがあったから、成長できたのだと思う。
もしあのとき会社を辞めていたとしたら、こんな心境には成れなかったはずだ。
ずっと変わらずに、なぜ?なぜ?と自分を苦しめていたことだろう。職場にいる自己中短気社員のように。
もし自分の考え方を変えずにいれば、いずれまたどこかで必ず行き詰まる。そしてまた違う職場へと転職する人生。そうならずに済んだことは幸いだと思う。
怒る前に考えるべきは自分以外の状況と他人の気持ち
そういえば、昨日就業時間の間際に、上司が社用車でどこかへ出かけていったが、もしかしたら、このダンボールを取りに行ったのかも知れない。
遅くなってしまったから、とりあえず、この場所に置いてから、後日、所定の場所へ移動するつもりだったことも考えられる。
それに、事実、場所がせまいので、この場所しか置く場所がないから仕方ないことだった。
そうはいっても人は他人から尊重されたく、大事にされたく、他人から認められたく、自分は重要な存在でありたい、自己重要感を持っているものだ。
この場所に大きなダンボールを2つも積み上げられたら、わたしは自分の小道具が取れなくなる。
それでもそこに置いたということは、「どうでもいいやつ、怒っても大したことはないし、そんな場所に小道具を置く方が悪い、」と置いた人の気持ちを詮索すると複雑な心境。
そうはいっても、自分を客観的に見ることを忘れてはいけない。
「そんな所に小道具を置いているお前が悪い」「自分だったら、もっと別の場所に置くよ。気が利かないなコイツは・・」もしかしたらと思う人も居いるかも知れない。
実際、その場所しか空きスペースがない。床にも色々と置いてある。
もしかすると、「ここしか無いんだよなぁ・・仕方なかった」と気負せてしまったことや、「最近コイツ怒らくなったから大丈夫だろう」と思われたかも知れない。
逆に「ここにダンボール箱を置いたら、コイツ困るよな・・」って思ってもらえる様な、自分ではなかったということでもある。
人は「自分が投げかけたものが返ってくるし、投げかけたものしか返らない」から、自業自得なのだろう。
おわりに
自分に合わない会社なら辞めるのも悪くないが、辞めなかった未来も悪くない。
もっと探してみる