「新しいことにチャレンジしよう!」
あなたは今の自分を変えたくて、過去の自分を捨て、何かをはじめようと動き始めます。
そんなとき人は自分を分かって欲しいもの、つい、目的を誰かにはなしたくなるものです。それは自分を応援することばが聞きたくなるからです。
「すごいね?」「がんばってね?」「見るところがちがう」とか、自分を認めて欲しくなるのはよーくわかります。人は「価値ある存在と思われること」で、こころを満たせるからです。
でも注意しなくてはいけないことがあります。話す相手をまちがえると、
成功から遠ざかってしまうからです。
では、どんなことに注意すればいいのでしょうか。
夢を叶えたいなら語る相手を見極める
こんな人にはなしてはダメです
- 何かをあきらめた人
- 努力がきらいな人
- 仲間意識が強い人
なぜこの3人に夢を語ってはいけないのか?というと、「自分に同調」させようと抑圧するからです。「同調させる」とは、自分に足並みをそろえさせようとすることを意味します。
ここに「認知的不協和」という心理学用語があります。
「何のこっちゃ?」ですよね?
「抑圧すること」に深く関係しているので、認知的不協和の説明をしておきます。
なので、2つたとえを紹介します。
1 「すっぱいぶどう」イソップ寓話
キツネが、たわわに実ったおいしそうなぶどうを見つける。
食べようとして跳び上がるが、ぶどうはみな高い所にあり、届かない。
何度跳んでも届かず、キツネは怒りと悔しさで、
「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか。」と捨て台詞を残して去る。
頑張ったけどダメだった。あきらめるための理由が欲しかったという分けです。
2 タバコを吸う人と禁煙
1)喫煙者がタバコの危険性を知る
- 認知1 「わたし」はタバコを吸う
- 認知2 タバコは肺ガンになりやすい
このとき「わたし」は、「たばこを吸うと肺がんになりやすい」と知りながら、タバコを吸っています。本当は身体によくないので不協和(矛盾)を感じています。これれを解消しようと行動に移そうとします。
2)自分の行動を変える
- 認知3 「わたし」は禁煙をします
- 認知2 タバコは肺ガンになりやすい
■不協和(矛盾)を解消するため「禁煙」をする。
認知1(タバコを吸うこと)をしなければ、認知2(肺ガンのリスク)を解消できます。そうすれば「認知の不協和」を感じなくてすむからです。
でも、たばこを止めることはそう簡単ではありません。と、なると、自分を正当化するために新たな認知に変わっていきます。
3)新たな認知を追加する
- 認知1 「わたし」タバコを吸う
- 認知2 タバコを肺がんになりやすい
- 認知4 喫煙者でも長寿の人もいる
- 認知5 交通事故で死亡するする確率の方が高い
認知4・5の考え方をすれば、肺がんになる恐怖を少しまぎらわすことができます。
「できなかった」のではなく、「やっても意味ない」逆に「やらない方がいい」という、自分をごまかし、自分の行動を正当化する都合のいい言い訳をすることが認知的不協和の解消です。つまり、
「認知的不協和を消そうと、事実をねじ曲げてしまう心理が働くこと」をいいます。
「(何かをやったけど、うまくいかなかった人)に、はなしを聞いてもらうこと」がダメな理由がここにあるのです。
宝が欲しいなら宝を見つけた人の意見を聞くこと
トレジャーハンターって聞いたことありませんか?
たとえば、「海底に沈む金塊」「ジャングルに眠る秘宝」「遺跡の発掘」なんかも宝探しのようなものです。
歴史を紐解き(ひもとき)入念な調査を重ねて、
「この辺にあることは間違いない!」という信念をいだき、自分たちを信じて、あきらめず、粘り強い信念があってこそ、お宝を見つけることができるのです。
「信じてあきらめない、ブレない精神を持ってして勝ち取れる」って、まるで、成功の原則のようです。
でも、何年かかっても発見できないこともあったはずです。簡単に見つからないから秘宝なんです。答えがない問題をといているようなものです。
「もうダメなんじゃないの?」ってあきらめの境地に立たされることだってあったはずです。
でも、お宝を見つけることができたのは、ただあきらめなかったから。
失敗の数は弾(たま)の数
成功者は「なぜ成功したのか」を知っています。
そして成功するための知識を、あきらめた人よりもたくさん持っています。それはたくさんの失敗を経験したからです。何通りもの試みは無駄ではありません。次の手順にいかすことができるからです。
「それがダメならこっちはどうだ?」凡人が10発しか撃てなくても、1000発の弾丸を持っています。
「10発であきらめるなんてナンセンス。まだ方法はたくさんありますよ?」成功する可能性を見据えているのです。失敗の経験は成功に転じることができます。
成功体験は他にも応用できる
あなたはゴールを目指して先の見えない迷路をさまよっています。でも、成功者は、迷路にそびえ立つ高い塔のてっぺんから、抜け道がはっきりと見えています。
「あれ?あと10メートルでゴールだったのに・・」って分かります。
なぜなら、その道のプロだからです。どうすればゴールにたどりつけるのかを知っています。
だから、はなしを聞いていい人は「何かを成しとげた人」の方がいい理由がここにあるのです。
こんなタイプに近づかないことのまとめ
さっきのはなしをもう一度おさらいします。
あきらめてしまった人にはなすのはやめましょう。あきらめてしまった人は、
「あと何センチでゴールなのか分からなかった」人でもあります。
- 「あれだけ探しても見つからないのだから、本当は宝なんかなかったんだ」
- 「宝探しで家族を失うところだった。やめてよかったんだ・・」
- 「人生を棒に振るところだったよ」
こころの不協和(矛盾)をなくすために、自分を納得させようとします。そしてここからが肝心です。
自分だけならともかく、新たに挑戦する人をこばもうとします。なぜなら、
自分が出来なかったことを他人がやってしまうことが許せないからです。
だから、いま何かに挑戦している最中なら、
成功の願望はひっそりと、こころの奥底にしまっておくことです。
おわりに
人って素直に他人の成功を喜べないものです。とくに不幸せな人は嫉妬します。
ちょっと性格が良くないかも知れませんが、
こっそりと自分だけの秘密にしておくことの方が、丸く収まるような気がします。
もし上手くいかなかったとしても誰にも知られることがないからです。へんに、カッコつけることもありませんからね?
ズルいけど、宣言しない方がいいのではないでしょうか。
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