知り合いが家を建てたとしたら、いったい何をすればいいのでしょう。
「新築祝いの相場は○万円」とか、
「2ヶ月以内にあいさつを」など、ちまたにはそれらしき情報がふれています。
ここでは、本当に当たり前のこと。最低限の常識とマナーについて書いています。
あまり「立て前を気にしない」という人は読んで見てくださいね。
優先するべきはその相手。思いつきで行動しない
「今から行ってもいいですか?」
とつぜん連絡された状況を、少し相手の立場になって考えてみましょうよ。
相手には「相手の都合や事情」というものがあるものです。なので事前連絡をしてからあいさつに行きましょう。
「おめでとう」が目的なのに迷惑をかけてしまっては、何のためのお祝いのか本末転倒です。どんな状況にいるのか、相手の状況を想像してみることです。
引っ越したばかりで部屋がまだ整理されていない
「もういい加減、片付いているだろう」と思っても、常に家にいる人ばかりとはかぎりません。
「やらなくちゃ」とは分かっていてもつい先延ばし。
夫婦共働きなどで時間がないと、ダンボールに入れたままにしてしまうのはよくある話です。
もし前もって連絡してくれたとしたらきっと片付ける口実になるはずです。自分を良く見せたいと思うのは誰にでもある心境です。あなたにも心当たりはありますよね?
なので、片付ける時間を与えてあげましょう。
お化粧をする時間にお邪魔するのは避けたい行動なのです。
あなたの知らない人たちと「お祝いの約束」をしている?
相手には相手の交友関係があるものです。
会社の人たち、あなたの知らない友人、親兄弟親戚の人など、相手には相手の人脈があるのは誰にでも想定できること。
その相手がどんな順番で新築の家に客人を呼ぶのかはわかりません。いきなり押しかけて、あなたが知らない人たちが大勢いたとしたらどうでしょう。
「遠慮しないで楽しんでいきなよ!」って家主はいうかも知れません。でも本当にそう思っているのでしょうか。
大会社の社長や芸能人など、交友関係が広い人は社交場的な状況として不自然ではないかも知れません。
あなたのキャラにもよりますが、場違いで空気を読めない人と思われることが、あなたにとってプラスになるのでしょうか。
そもそも、用事があって家にいない
休みだからといっていつも家にいるとはかぎりません。とくに新築当初は忙しい。本当に当たり前すぎて、書いていいのか躊躇してしまうところ。
新築のお祝いをしに行くという行動の主役は家を建てたその相手。主人の都合に合わせるのが気づかいです。
「次の休日は仏滅だから今日しか自分は来られない」
もしかしたら、そう考えてる人はいませんか?これは最も最悪な判断です。
たしかに形式を重んじる世界の人や地方の田舎ではうるさい人たちもまだ存在します。でも、いまや仏滅に挙式をあげる時代です。そん風習を気にして他人に迷惑をかけるのはひかえるべきです。
「新築祝いを早くわたさなくてはならい」と、あなたがあせってしまうのは、世の中の(特定の)常識や世間体や体裁や建前というルールに縛られている証拠だかです。
それはあなたの身勝手な都合です。
大事にすべきは相手の気持ち。自分目線の行動をつつしんだ行動をするべきです。
ちょっと力が入ってしまいましたね?後の章を読めばわかります。
家に上がってお邪魔してもいいの?
とはいえ、どんな状況だとしても来てくれるのはうれしいものです。
もし「あなたが作家で本を出版した」と仮定します。そんなあなたが友人から受けたいお祝いメッセージとは、どんなことばでしょう。
- 「おめでとうー」だけのメールをくれる人
- 本の内容をコメントしてくれる人
2番だと思いませんか?
「本、読みました。この辺が面白かったよ!」内容についての意見をくれる人に喜びを感じることでしょう。頑張った自分をしっかりと見てくれているからです。
ふつうの人が家を持つことは「人生の一大事」といっても過言ではありません。なぜなら、何十年もかけてローンを払っていくからです。
自分が選んだセンスを見せる場でもあります。時代の最先端の結集でもあるのです。そんな自慢の家を見せたいと思うのは当たり前のこころです。
なので、新築の家のあいさつに行くのなら、家に上がって、家の造りを見てあげましょう。きっと家主は喜んでくれるはずです。
アポ無しで来られた件
わたしが家を建てた当時のはなしです。
来客者:「いま近くまで来ているんだけど、家がわかりません」
という電話を突然受けました。「新築祝いを持参してあいさつに来た」という連絡です。
ところがその日は、久しぶりに家族そろっての実家です。母も孫に会えるのを楽しみにしていたところに不意の呼び出しです。
わたし:「ちょっといま出先だから、また今度でもいいかな?」
とその相手に答えます。
すると、
来客者:「あのぉ・・『生もの』を買ってあるから今日にならないですかね」
まったく折れる気はない様子。食い下がるのには理由がありました。
どうやらショートケーキだったらしく「また今度」というわけにはいかないのと、
「はるばる来たのに、またこんな田舎まで来るのが大変だから?」といった理由だからです。
結局そのゴリ押しに負けて、家族全員、実家から家にもどることにしました。
なぜ家族まで?かというと、まだその相手に一度も家族を紹介したことがなかったからです。それに実家との距離もさほど遠くないからでもありました。
実家には1時間もいなかった。ろくにくつろいではいませんでしたが、「せっかくだからこの機会に」や「新築を見せたいな」という気持ちもあり、急いでとんぼ返りしたのです。
ところが、ところがです。
その来客者は駐車場でわたしにケーキを手渡すと、家に上がることもなく笑いながらサッサと帰ってしまったのです。
「やられた・・」意地悪な人とは知っていましたが、まさか家族まで巻き込むとは思いませんでした。マジがっかり、気持ちはブルーです・・
「お茶でも飲んでいってよ」や、わたしも「せっかく戻って来たのだから」と、何度もいったのですが、「また今度あらためて来ます」的な返答の一点張り。
「何なの?あの人!」妻は激怒です。子供たちも何のことやら意味不明。実家にいたのはわずかな時間、仕方ない心境です。そしてこちらの予定は丸つぶれ。
もう本当に、体裁や義理はいりません。
ケーキよりも欲しかったのは、家を見てくれることだけでした。
おわりに
かしこまった服装や気の利いたお祝いなど究極はいりません。「別に手ぶらでもいい」ってわたしは思います。
仕事帰りにぷらっと立ち寄って、ちょっと上がってお茶でも飲みながら建てた家について話を聞いてあげること。それが一番のお祝いになるでしょう。
▼相手を馬鹿にすることが楽しみで生きている痛い人はいます。
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