入社1年と勤続10年にちがいはあるのでしょうか。
勤続40年から見たら「どんぐりの背比べ」になるのかも知れません。
新人さんからすれば、その環境に得がないのにいつまでもいる理由はありませんよね?とっとと別の新天地を探す方が得策だと思うことでしょう。
でも転職をくり返すことで、本当にいい結果になるのでしょうか。
今回は、転職をくり返す人の周りの状況を客観視してみます。
「幼稚園生のサッカーの試合」をつづけても大事なものは得られない
サッカーを習ったことがない園児がサッカーの試合をすると、みんなでボールを追いかけてしまいます。
ボールという楽しみに向かってボールを取り合う状況になってしまうこと。それはそれで楽しいものです。
が、大人は園児のようにはいきません。誰だってボールにさわりたいもの。主役になりたいと思っています。
もし、誰もいない場所でずっとボールを待っていたとしたら、ボールが飛んできたとき試合の流れを変えるきっかけをつくれます。
地味だけど、誰かがやらなくてはいけない仕事です。
そして相手ゴールを攻める選手はヒーロー役。いつも注目されています。
でも、安心して前に出られるのは、他のメンバーが自分たちの持ち場をしっかりと守っているからです。
つまり、
ボールという流行りを追いかけていては試合は勝てない。
そこにいつもいてくれるとは「信用がある」ってこと。
目先のことを優先する人は結局何も得られない
「何か」で一人前になるためには、その「何か」を極めることです。極めるために必要なスキルは継続することで身につくもの。
もちろん天才もいるし、物覚えが早く要領もよく、かしこい人もいるので、継続をゴリ押しはできません。が、基本1つのことを長くやっている人には敵わないのはこの世の原則です。
苦難を乗り越えた先にあるもの
昔っからあることって、珍しくも何でもありません。人は新しいことが大好きです。とくにミーハーな日本人はその傾向が強い民族です。
わたしが過ごした10代は、昭和から平成に年号が変わったころ。あらゆる分野で西洋化が進でいる時期でした。
- 和菓子よりもケーキ
- 和風建築よりも洋式
- 商店街よりデパート
いままで日本経済を支えたいた形態がどんどん入れ替わっていくのを、子供ながらに体験した記憶はいまでもしっかりと覚えています。
「なんかそれ古くない?」時代遅れに対して、すっごく恥ずかしかった思い出もあるからです。
とくに、戦時中を生き抜いた親を持つ子は、世間とのズレを感じずにはいられないものでした。
でもいま(2017年現在)はどうでしょう。
和菓子や和風建築は見直され、逆にオシャレになっている。街のシンボルであったデパートは次々と閉鎖。逆に個人商店へ、こぞって若者は集まっています。
みんなと同じことに違和感を感じる。個人を発信したい願望。昔から日本にあった伝統のよさに気づいたからですよね?
「それじゃ、いまから和菓子職人になろう!」って思って行動して上手くことが運ぶのでしょうか。
たしかに、生クリームとコラボなどアイディアで一時は流行るかも知れません。でも、老舗(しにせ)のブランド力に勝てるのか。
ここが問です。
いまニューヨークで話題のスイーツが今年渋谷にオープン!たしかに興味がわくでしょう。一度は食べたいって思います。
でも、5年後その店。残っているのでしょうか。固定客が何人つくることが出来たのでしょう。
老舗が残り続けているのには理由があります。真似るなら、そこ。
新しいものに直ぐ飛びつく人が成功者になれるのでしょうか。
直ぐに転職するあなたに言いたいこと
転職気味の人にとってここからは、ちょっと耳の痛いはなしになるでしょう。一気に読者が減ってしまうかも知れません。でも、あえて書かせていただきます。
今回この内容の記事を書こうって思ったのは、転職をくり返す同僚にいわれた一言を思い出すきっかけがあったからです。
以前、自分が勤務する会社の親会社が、ちょっとヤバイ状況になった時期がありました。
「ボーナス出ないかも」
「仕事なくなっちゃくんじゃないの?」
「リストラはじまるよ」というようなうわさが、いつも飛び交います。
そんな状況のとき、年齢は50過ぎ、勤続1年くらいの同僚が、ハローワークに行ってきたとのことです。結果、年齢的に、目ぼしい就職先を見つけられなかったようでした。
でもその後、わたしにこう言い放ったのです。
「○○君はまだ若いだから、いまがチャンスじゃない?」
この言葉、どうでしょう。
当時わたしは勤続12.3年くらいでした。出入りの多い会社的には古株の部類です。もちろん「辞めたい」ともいってません。
「お前と一緒にするなよ!」って、わたしは一瞬イラッとしましたよ。
ではなぜ、そう思ったのでしょう。
長いから偉いとはいいません。
「イタズラにただ時を過ごしただけ」ということばも、ある意味真実です。
まー5年、10年単位で1つの会社で働いてきたのなら、それなりに出した答えなのでしょう。周りも理解してくれます。そこに学ぶべきことがたくさんあるからです。
でも、1日や3日、半年ももたないとのこと。そんな短い期間働いて何を得られたのでしょうか。
辞めた理由を聞くと、まったく共感できません。
昭和人のわりには我慢を知らない。我慢というより忍耐が適当だと感じてしまう。イジメや暴力や理不尽を耐えろとはいってません。
「その仕事、やった経験がある」
「経験上いいますと」なーんていわれても何も響かない。
たった3日で何が分かるのか。
それは「経験」ではなく「体験」です。
ある程度の経験年数とは、その人の信用をつくる大事な期間。まったく深みを感じられなく内容の薄い話にしか聞こえない。
いつでも上様扱いされる、怒られない、良い待遇が受けられないと辞めてしまう。本人は腹を立て、呆れ、憤り(いきどうり)、あっさりと辞めているとのことでした。
■ではなぜ、その新規の勤め先の人からの待遇がよくなかったのか?を考えてみましょよ。
「こいつ、明日来ないかもしれない」って思われてしまうのはなぜなのでしょう。
信用がまだ無いから。
いままで極端に短い期間しか働いていないからではないでしょうか。
勤続年数とはその人にとってブランド(価値)だからです。
そんな、いつ辞めてしまうか分からない人にいちいち優しくできるのか?
自分の大事な時間を割いて仕事を教えようって思うのか?
その会社で美味しい仕事を与えようって思うのか?というはなしなんです。
いい待遇が欲しかったら、
あなたが唯一無二の存在になるしかない。
その1つも継続です。
そもそも仕事って?
「いくらもらえるから働いてやる」のではなく、働きに見合った分だけ報酬はもらえるもの。
「使ってもらっている」という謙虚な気持ちは大事ではないでしょうか。
昭和的で古い考えだっていいうかも知れません。でもあなたが経営者だとしたらどう感じるのでしょう。
「ピンチのときに逃げてきた人はまた逃げる」って思われる。
ピンチの時にも逃げ出さなかったことも信用です。
「あなたを雇いたい」って思うのかを、よーく考えるべきです。
おわりに
そんなわたしも、若い頃は転職気味のプー太郎。人をとやかくいえるブンザイではありません。だからよく分かるし、言いたかった。
この「自信」ってどこから来るのでしょう。やはり、それをやり続けた年数だと思っています。
嫌な言葉をいわれると、反論せずにはいられいわたしですが、あのときは本当に呆れてしまい何も言い返しませんでした。
小手先のペテンが通用するのは一時です。長い時間が仮面をじわりじわりとはがしてくれます。
継続に勝る価値はありません。何も語らなくても事実を証明してくれるからです。
コツコツひたひたといきましょう。
▼自分との約束は守ることも大事です。
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