2019年の8月。東北自動車道の佐野サービスエリアにて従業員のストライキがありました。当初のマスコミの情報によると、
つまり、社長の概念とは、
- 仕入先に対して=『ある時払いの催促なし。儲かったら払うから待ってろ。商品を買ってやっている。コッチは客で偉い立場だよ』
- 従業員に対して=『文句あるヤツは首。俺がルールブック。代わりはいくらでもいる。黙って働けこの野郎!』
的な考え方があると私は想ってしまいます。
取引先については別として、かつて私が働いていた会社を思い出してしたので、その辺を書いてみます。
他よりも良いエサを与える一方、脅しで支配する会社
「仕事内容もキツい。給料も安い。会社の待遇も良くない」だとしたらその会社が存続するのは難しいことでしょう。でも何かしら「いい部分」があるからこそ、人が集まって来る。
■例えば、
- 人間関係は最悪。けど仕事は楽で給料は妥当か、それ以上
- 仕事はキツイけど給料は高い。でもブラック企業
- 給料は安いけど、この会社で働くのが好き。やり甲斐が働くモチベーション
その人にとって「何を選ぶか」によってその会社で働く意義は違ってくることでしょう。
■わたしがかつて働いていた会社とは、
- 社長(神)の意見は絶対
- 経営陣(社長の手先)は強い立場
- 社員を分け隔てる(人によって待遇が違う)
- 仕事内容によっては超高給料☆
- 出戻りする人も少なくない
つまり、他の同業他社よりも給料が良く、社員のあつかいさえ我慢すれば、悪くない会社ともえいます。なぜ辞めずに、またやってくるのでしょう。
■そのやり口は以下の通り、
- この会社に入ると、先ず、キツイけど、すごく高い手当がつく花形業務をやらせる
- すると、生き残った新人は「めっちゃ褒められ」自信がつく
- そして「頑張れば、イッパイ金もらえるんだ」と学習する
- しばらくすると、割りに合わない業務に回される
- けど、たまに美味しい仕事をしゃぶらせる
普通の人が務まらない辛い作業をクリアーしたという達成感と自己肯定感を味わえるて、
中途採用の若者でありながら、賃金年功序列型で働く会社員ではもらえない高額な給料を、近道でGETできてしまう。追い抜いた優越感も味わえてしまう、洗脳でした。
上手くいけば、「またあの高収入の業務につけるかも」と期待して辞める決心がつかないって心理状況になっている。イス取りゲームから抜けられない心理。
人は一度上手くいった経験をまた再現しようとする傾向があるし、アメとムチで洗脳されがちです。DVの関係から抜け出せないのは、「たまに見せる優しさ」と「暴力から逃れた安心感」から来ていると言われています。
「社員なんか、いくらでも入ってくる!」が口癖でした。(>ω<)
まともじゃない人を採用するメリットを使用者は知っている
まともじゃないと書きましたが、わたし自身、ニート状態から抜け出し、社会人として自立できたのは、この会社のお陰です。
他にも、遅刻・無断欠勤・優良企業では働けない見た目や経歴がある人なども、気にせず採用しています。当時
社会不適用な人材は解雇されれても仕方ありません。けど、使い方によっては力になることを知っているのでしょう。
そしてこういった人は、たまにヘマをやらかします。そうすると、その会社の手先の管理職は、「もう明日から来なくていいからね。荷物まとめて出て行け」とムチを振り回す。
そして制裁として仕事をほして、反省させるけど、決して首にはしません。なぜなら、そうすることで、自分たちの言うことをきかせることが出来るから。
そして、やらかした社員はチャンスを与えられ恩義に感じ、むちゃな仕事を引き受けてしまう。か、解っていても従います。
なぜなら、そんな悪い癖を見逃してくれるし、解っちゃいるけど治らない。&他で雇ってくれないのに使ってくれる。行くところもありません。自分が務まる先が見つかるのかも心配です。
こうやって上下関係が出来上がってき、「悪くない会社」と洗脳していく。
つまり、「社会ルールを守れない奴なんだから、こっちも労働者の権利など知らんがな」という取引が成立している状況ともいえるでしょう。
社員を人だとは想ってない
そして不景気になると、わたしと同じ部署で働く数人を応接室に呼びつけて、「誰でもいいから、この中から一人辞めてくれねぇかなぁ・・( ゚Д゚)y─┛~~」と、退職勧奨を受けました。
けど、そんな状況では働くモチベーションも上がらず、その美味しい仕事が自分の所には回ってくることも無いことが解ると、結局は辞めてしまいました。もう25年以上前の話です。
わたしが働いていた会社は、やり口はどうあれ人が離れない会社。そう考えると今回マスコミを騒がせた社長とはメリットが無い人。
人が集まらなければ会社は運営出来ません。よって無能な経営者といえるでしょう。
佐野サービスエリアの件とは少し違う話ではありますが、横暴な経営者と聞くと、どうしても思い出してしまいしたよ。(>ω<)
おわりに
佐野SAの一件は、もっとたくさんの不満から起きたストだと思います。社員一丸となっての革命です。その勇気と決断にはリスペクトしかありません。
こんな経営陣。たまにニュースで観ることがあります。社員を使う方と会社に雇われる側の構図では、どうしても社員は不利なのが一般的です。
何か特別なオンリーワンがない限り、意見を主張するのはハードルが高いのは当然なこと。きっと背水の陣だったのでしょう。
マニュアル化された作業とは、言い換えれば誰でも出来る仕事。それが分かっているから、使う方が強く、使われる方が弱い立場になってしまうのです。
けど今回の案件を見てもわかりますが、全て機械やAIなどで自動化されない限り、結局は「人」がいないと運営など出来ません。さらにその機械を管理する人がいてこそもプラスしておきます。
そして人は感情の動物です。「業者ごときが調子に乗るな!」という経営者と付き合いたいと思うのか。その取引先がメインなら仕方なく付き合うかも知れません。
けど、立場とは、どの分野も、いつの時代も、いつどうなるかわからないのです。「いつもお世話になってます」と言う謙虚さがあってこそ人は助けられる(チャンスをもらえる)と思います。
「社員=道具」と考える経営者は、これからは通用しにくい時代がやって来ています。なぜならインターネットが普及して、個人が言葉を自由に発信する時代になったからです。
そして、会社に依存しなくても行きていける自分の仕事を持つことが、これから生きる道だと改めて考えてしまいます。