もし、管理職の立場にあるあなたの部署に、精神疾患をもった人がやって来たとします。
その人が「病気の影響で、人災を起こす可能性がある」としたら仕事の指示ができますか?
責任と引きかえにするくらいなら、仕事をさせない選択をするのが一般的です。
でも、平等でないって状況を部下は見ています。
示しがつきません。板挟みです。
いったいどうしたらいいのでしょうか。そんな上司の悩みを代弁して見ましたよ。
うつ病を引き合いに「本来やるべき仕事をしない社員」に困惑する管理職
「わたしは(うつ病)を患っています」と宣言する人が、一年前、わたしの部署に配属されました。
わたしの感覚とはちがいます。
もしわたしが、精神疾患になった経験があったとしたら、きっと、「かくしたい」って思うからです。前の職場のことです。いわなければ、分かりませんからね。
では、何でわざわざ、恥ずかしげもなく告白するのでしょう。「そこに答えが隠されている」と思います。
患者との接し方が分からない
私の職場の人たちは、うつ病の人に関わることが、初めての経験だから、どう接していいのか分かりません。ただ思うことは、
- お大事に
- 無理しない方がいいよ
- マイペースでやりましょうね
先輩として、というよりも、同じ人間として「いたわりの念」が湧いてしまいます。労働者なら、誰だって弱い立場は理解してますからね。
「きっと辛い過去があったのでは?」って想像できます。
「そうか・・頑張り過ぎちゃったんだね~」って、共感もするでしょう。
ところが、「うつ病を患っている本人が(開き直った態度や発言をするタイプ)だった」としたらどうでしょう。
「ちッ、生意気なヤツめ!」「優しく接してあげよう」とは、思わないのではないでしょうか。心をこわしているとはいえ、可愛げがないからです。
「口は災いの元」といいます。猫もしゃべらないから可愛いんです。
「こんなエサ食えるか!」って文句ばかりなら、誰も可愛がらないはずです。
介護される立場の人が横柄だったら、「一人でやれば?」って思うし、可愛くないです。
「他人様に面倒や迷惑をかけている」受け身という弱い立場なら、人としてのモラルや道理くらいは、たしなんで欲しいものです。
なぜなら、ペットや介護とはちがい、同僚とは仕事のパートナーであって、ママじゃないからです。
そして会社は病院ではないです。リアルな実社会です。「働かざる者食うべからず」です。
ギブ・アンド・テイクでフェアーじゃなくっちゃ、良好な関係は続きませんからね。最初はボランティア精神や人助けマインドというやりがいも湧いてきます。でも、最終的には、うまくいかなくなるのが心理(原則)だからです。
「上司は部下の面倒を見て当たり前。人は患者をいたわって当たり前」なのでしょうか。
ちがいますよね?
任務による負傷に対してのフォローは大事です。でも、戦地に行かない人に何をフォローすればいいのでしょう。
戦時中、か弱い女性だって、男性に代わり、子どもたちや年老いた人たちのために、一生懸命がんばりました。それが任務であって使命だからです。「辛い」なんていってられる状況ではなかったのでしょう。
職場と戦場がおなじ、とはいえないけど、やるべき仕事をしてお金をもらうのは社会人としての当然のルールだからです。
本人も必死?
でも、仕事を選ぶこと(やらない)は、
「うつ病を患ってから取得した生きるための知恵」でもあります。
「何としてでも、あの苦しい状態を避けるためなら、(発作)にならないような状況を選ばければならない」と本人もいってました。
あとで書きましたが、
「心理作戦をしてでも自分を守りたい」という分けです。
立派です。本当のことをはっきりと言えるってうらやましい。秘密主義な私からすれば尊敬に値する信念と行動です。
でもこれは、自分のいやな部分をさらけ出してでも、やりたくないことはやりたくない、ともいえます。
「本当にこの人うつ病なの?」って思うほどです。きっと薬を飲んでいるから強気になれるのかも知れません。(影では)
いずれにしても、「自分を守ろう」って思うのは、労働者として当たり前の権利です。法律的にみても、正当防衛になるでしょう。
ここまでは、よくあるはなしです。でも、そのやり口が、よろしくないんですよ。
わたしは言いましたよね?それでも「それ」をさせますか?
状況から見る部下の心理とは?
うつ病の部下がとったアクションから、部下が間接的にいっていることを代弁すると、
わたしは精神疾患で現在、病院に通院して薬も飲んでいます。
そのことを、あなた(上司)に報告しています。
「無理はしないでね」って医者に言われています。
精神疾患になっている人に「させてはいけない業務や対応」が法律にありますよ。
それによって、第三者に危害を及ぼしたらどうなるのか知ってますよね。
とはいえ、わたしは仕事は断りません。従順な部下です。
(上司の指示は何でも聞き入れます)
もし、何かあったときは、あなたが裁かれるだけですからね?
無言の脅し(おどし)ともとれます。
会社や上司や本人に関わる人に責任転嫁しています。
これでは、指示しようがない。手が出せません。誰だって犯罪者にはなりたくないですからね。すごい作戦です。知能犯とはこのこと。
今現在の業務によって、うつ病になったわけではないです。だから、いまの業務をしたから、うつ病になるのか、悪化するのか、分かりません。そもそも、本当にうつ病なの?かも疑問です。
さっき冒頭で書いたように、おこがましい発言と、図々しい態度があるからです。
でも、もし、業務中に問題を起こしてしまったら、管理監督者の責任が発生します。
そして、うつ病の部下は、
「わたしは現状報告はしています。助けてください」
「もっと安心して働ける職場を!」といって、被害者になるだけです。この一連の成り行きが想像できます。だから、会社としての対応がグレーになっているんです。
そして、一番近くでうつ病社員とせっする同僚に問題を委ねている。
「とりあえず、様子を見ている」のが現状です。
上司も、また、結局は当事者任せ
会社側が回答を出さない、出せないように、直属の上司たちも、平であるわたしたちに、これといった明確な指示出さないでいます。
■わたしが選んだ行動が書いてあります。
リンク精神疾患を理由に仕事をしない人に、どうすれば仕事をしてもらえるの?みんとは違う行動をした私の決断とは?
会社側(上層部)も、その上司にはっきりとした答えは出していないそうです。どうしていいのか分からないのではないでしょうか。
うつの人の業務内容は、他の社員とは平等ではないけど、とりあえず、大まかな仕事はできています。
結局、全部足して100になればいいって思ってるのかも知れません。
多少比率(個人負担)に差があったとしても、トータルでは問題ない分けですからね。
でも、一人だけ特別扱いをすれば、「オレもわたしも」ってなることを心配する上司の気持ちも分かります。士気にも影響がでるからです。
小さなヒビを放っておけば、大きな穴になり、やがてダムは決壊します。
おわりに
人のこころに関することは、とてもデリケートな問題です。
でも、ガイドラインとしての決まり(マニュアル)をつくってもらえれば、ありがたいって思います。
うつ病の人と同じように、健常者にも、権利はあります。
「どうすればうまく折り合いをつけられるのか」がテーマではないでしょうか。
もっと探してみる