人は独りでは生きてはいけないものです。つい他人に合わせてしまいがちだったりもする。
よくないのは、それすら気づいてないこと。病気になったら大変です。ストレスと上手に付き合う必要があるのです。
■参考書籍
- 著書:心理カウンセラーが教えるストレスを味方にする方法
- 著者:野口京子
適応過剰がさらにストレスを生んでいる。集団生活の落とし穴
突然ですが、ひょっとしてあなたはこんなタイプじゃないですか?
- 人に好かれたい
- 周囲の期待に応えよう
- 頼まれごとは断れない
- 何でも引き受けてしまう
たしかに集団生活には必要なスキルです。自分独りでやる仕事ならそれでいいけれど、人と関わる職業の人はそうはいきません。
とくに島国根性のジャパニーズは村社会でつくられている。列から大きく外れた人間を「たたく」ことで生きてきたのが歴史です。
「あいつは変わり者。みんなで無視しようぜ?」ってやられたら誰だってイヤです。とくに弱い立場の人は流されがち。
わたしの場合は家族が人質(ひとじち)の様なもの。「今直ぐ止めてやる!」とはいきませんからね。意に反し、なるべく適応しています。
それに我の強いモラハラタイプの人間と戦うのは、お人好しにとっては大変エネルギーがいることでもある。地でやっている人には敵わないのです。
もし会社側から干されて仕事をやらせてもらえなくなったら収入にも関わるし、出世した人は無理な仕事を引き受けてしまうことでしょう。
ストレスに負けるのは「弱いから」じゃない
必ずといっていいほど、集団にそぐわない人を吊し上げる人はいるものです。きっとあなたの周りに以下の人はいることでしょう。
- わがままな人がいる
- 足並みを乱す人ってどうなの?
- みんな我慢してるのに自己中なヤツだ
という具合に世論を味方につけ社内イジメに発展することは往々にしてあるのです。そんな予測すると結局我慢した方がストレスが少ないと思ってしまうでしょう。
それがサラリーマンの宿命だったりもする。でも、無理して周囲に合わせてストレスにならないわけがありません。集団からの孤立を恐れるためか、最近ストレス過剰型の人間が増えている様です。
これについて著者は次の様に言っています。
周囲に合わせるのが当たり前になってしまっていて、自分ではストレスを自覚こともあります。P.28
この適応過剰型は、正確にいうと、ストレスに弱いのといのは少しちがうそうですよ?
でも手を抜いたり休むことって、何か負けた感じに思ってしまいがちですよね。
更に引用します。
適応しきれないほどのストレスを受けても、自分の適応力を高め、耐えることで適応を続けようとする点が問題なのです。P.28
そうなんですよね。負けず嫌いの自分の性格が、余計にストレスを大きくしてしまっているのでしょう。言われてみればそうでした。
平気で有給をとれる人とは実はストレスに弱い人。それを知っているから上手に立ち回っているのです。
あなたも真似をするべきです。勇気を出して、ちょっと一息いれましょう。
「いい人」や「負けず嫌い」を止めるのはそう簡単なことではない
長い時をかけて仕込まれた考え方を変えるのは簡単ではありません。なぜなら、人は危機的状況を避けることを優先する様な脳になっているからです。
いつも部下イジメをしている上司がいる中、職場の問題点についての会合に出たとします。
「みんな今日は無礼講。どんどん自分の意見を言ってもいいんだよ?」そう言われても本当のことはいえません。後が怖いから。そんなの信じられません。
承認欲求
中には人に喜んでもらうことに快楽を覚えてしまい、親切が止められないタイプの人もいるものです。
- コレやって置いたよ?
- 自分がやるから大丈夫だよ
- 何でも言ってね
「ありがとう。あなたが必要」っていわれたい。
自分が犠牲になることが本人の喜びであり、生きるための活力だったりもする。周囲に認められたい欲求のあらわれです。「もっと他者のために何か出来ないか」生きがいにもなっている。
満たされない欲求
他にも、プライベートが人とちがっていると、仕事だけは負けたくないという人もいます。つまりトータルバランスをとろうとする心理です。
とくに独身で負けず嫌いの人や自分の得意分野を活かせない仕事についている人に多いように感じます。
本当はデキる人を証明したかったりもする。自分の能力のアピールに必死です。でも、それがイタかったりもします。
褒められたい心理は誰にでもあるもの。本人の幼少期、親からの愛情不足も関係していると聞いています。
「長男だから我慢しなさい」とか、そんな中、何か褒められた経験から学習してしまったのでしょう。
⇒結局、損してる気がするのは相手の作戦にハマっているからという話
自分を変えざるを得ない状況
わたしの場合「お人好し」なのは、小学校のときに転校したことが核になっていると自己分析しています。
⇒子供が生まれたら永住地を早く決めた方がいいのか?転校経験者の苦悩
どうすれば受け入れてもらえるのか、どうすれば好かれるのか、何をしたらいけないのか、みんなに溶け込むために子供ながら必死でした。
そんな出来事がわたしの性格の基準としていまも尚、受け継がれています。変えようと頑張って色々なことをやったけど、中々どうしてといったところです。
根っからの仕事バカ
頑張りすぎて病気になった上司がわたしの部署にいました。とにかく上からの指示に忠実で、クライアントのために必死で走り回る台風のような人でした。
仕事を完璧にこなすためには自分だけではなく、部下にまでそのやり方を押し付けていた。その結果、嫌われ者。結局、体をこわして役職を降りてしまったという話です。
降格移動の当時その元上司はいっていた。
「もう仕事なんてどうでもいい。これからはプライベートを充実させる。英会話とかガーデニングとかやって過ごすんだ。もう役職なんてバカバカしくてやってられねぇよ(笑い)」
仕事人間がそんなこというとは時代も変わったなぁって思いましたよ。
ところが人はそう簡単には変われないもの。平になってもまたいままでの様に仕事バカに逆戻り。きっと仕事をやらないことがストレスになっているのかも知れない。
ただ本人も何か得るものがあった様で角は取れてきている印象です。自分の限界を自分なりにわかったのかも知れません。それか肩書がなくなったから?
「競争よりも協調性を大事にする」そんな「いい人」という自分なりの美学を持っている人は要注意です。そのまま「いい人」をやってると悲観的な人生を送るかも知れないからです。
「こんなに頑張ってるのに報われない・・」
これは最悪のパターンです。
おわりに
ストレスに気づかずに更にストレスをかけると、自律神経がおかしくなって病気になるそうです。
- 胃潰瘍になったことがある
- 慢性の肩こり・首のこり
- 頭痛持ち
この様な人は、自分が過剰適応していないか、ちょっと振り返ってみた方がいいでしょう。
何か我慢していて限界にあることなどを、少しずつ他人に伝える訓練みましょう。とも著者はいっています。
とにかく体を壊してからでは遅いです。まだいけそうでも、ちゃんと休息をとってあげましょう。人生は短距離走ではありませんからね。
もっと探してみる