「人付き合いの基本は何ですか」と聴かれたらわたしは「素の自分を表現すること」だと思います。
テクニックという戦術は、しょせん”作り話”。
どんな手を使っても長くつき合えば、いずれ人の思いは分かってしまうものだらです。
「良いもの」は引かれていく。「良くないもの」は足されていく
人間とは慣れる生き物です。どんなに不運な状況下でも、どんなに恵まれていても、順応し、当たり前のことだと思ってしまうものです。
人には欲があり、もっと上のものを求める習性があるのも理由の1つです。
慣れてしまった”あなた”の印象が「もし最初のあなた」でなくなったとしたら、相手はあなたをどう思うようになるのでしょう。
プラスの印象とは、良い印象が当たり前
- ドラマに引っ張りだこの役者さん
- 金メダルを獲得したオリンピック選手
- ふつうの人が人助けをして「時の人」
もしあなたが有名人になったとします。誰だってその栄光に触れたいし、お近づきになりたいって思うことでしょう。
しかしながら「一度上に登りつめたという状況」とは、「もう上が無い。上に人がいない」という意味です。
上の人とは「下からはい上がってくる人を待つのみ」です。常に後続の人たちと比べられることでもあるのです。
出来て当たり前。出来ないとマイナス評価
あれほど世をにぎわせていたスターでも、まったくTVに出なくなると価値を感じません。一時は夢中になった人なのにです。もう古くなり流行らないからです。
金メダルが常連の選手が銅メダルになると、印象はよくないです。世界で3番目なのにです。ガッカリされるのは期待はずれだからです。
たとえ勇敢な行動からヒーローになった人でも、犯罪を犯せば一瞬で悪者です。
スキャンダルとは、なぜ面白いのでしょうか
勝者と敗者では圧倒的に負け組みの方が多いのは当たり前。大多数の人が敗者です。そして不幸な人ほど他人の不幸が大好きです。
いままで上手くいっていた勝ち組の人が、落ちていく姿は見世物小屋。いつの時代もコンテンツとなっています。
有名人のゴシップネタや大企業の不祥事や事件事故がニュースになるのは多くの人が求めるからです。
そう考えると初対面の相手に対して、わざわざ自分を良く見せるのはデメリットとも思えてなりません。
マイナスの印象とは「もう底が無い状態」
見ず知らずの初対面の相手と会ったとき「なぜか気に入らない」という想いをすることはないでしょうか。
- 容姿、態度が自分と合わない
- 言い方に角がある
- 自分よりもデキる人。または下過ぎる人
ところが長くつきあってみると、”最初印象がよかった人”よりも、”よくなかった人”と結局は馬が合うことが不思議とあるものです。
なぜ成り上がりの様なサクセスストーリーが人を魅了するのでしょう。最初ダメだった人間が不運や逆境を乗り越え、成功していく姿が人は好きだからです。
さえない自分と重ねてみたり、下の立場でも上に上がれる希望や夢を与えてくれるからだと思うのです。
こわれたと思っていた道具がまた使えたとき「ラッキー」って嬉しくなってしまいます。もうダメだと考えていたのに価値がよみがえったからです。
「案外イイヤツかも知れない」と思わせた方が結局は良い人間関係になるのがココにあります。
なるべく自分を盛らない。素の自分で相手に接すること
人は「ずっとちがう自分」ではいられないものです。
本当の自分を隠し通すことなど出来るものではありません。いつかきっとその化けの皮が剥がれてしまうでしょう。
1つ嘘をつくと嘘がバレないように、また1つ嘘を重ねるハメになる様なものだからです。長く付き合えば、そんなの誰だって見抜けることです。人をバカにしてはいけません。
だったら最初から、嘘偽りのないあなたで相手に接してはどうでしょう。何があっても気楽です。なぜなら、何があっても後悔することはないからです。
偽のあなたに好意を寄せる人とは、あなたが好きなのではありません。あなたが作り上げた人格を気に入っているだけなんです。
そんなくだらない駆け引きをするのなら、最初はプラスマイナスゼロの自分でいた方がマシではないでしょうか。
とはいえ”第一印象”は大事です
もし最初、行動として悪いことをしていたとしたら、どんなにその後自分を取りつくろっても最初の記憶は消せません。
でも大丈夫です。心を入れ替えて良くなろうとしていればやがて人は受け入れてくれます。
でも、もし少しでも良くなろうとする行動をやめ、また悪い癖が出始めたとしたら、きっと過去の悪い印象でまた関係をやり直すことになるでしょう。
そんな面倒くさいことにならないためには、偽りの仮面をかぶり”ズル”という近道をしないことです。ありのままの自分でいることがイイ関係になると思うのです。
おわりに
わたしの職場はある一定の周期で組替えをする部署です。いわば「はじめまして」のプロだと思っています。
おなじ部署でも長い間いっしょに組まない人もいれば、”また今回のおなじ組”という場合もあったりします。
前回、組んだときは不仲で終わったものの、「今回はちゃんと向き合おう」って心機一転また人間関係を構築するべく、色々と模索することがスタート時期のお約束になっています。
でも、ほんと長い間、毎回おなじことをくり返しているうちに気づいたんですよ。どうせ長続きしないのなら、最初から本当の自分でいた方がイイってことを、
もちろん、自己中のワガママになれとはいってません。人としてのモラルや気配りは大切な方便です。
必要以上に自分をよく見せようとしたり、好かれようと相手に媚びるのはしないということが結局は楽な関係でいられるコツなのです。
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